TOKYO Teshigoto

株式会社 高橋工房

36 江戸木版画

ときめきを、摺る。

版画と聞くと、美術館に飾られるような“芸術品”を想像しがちだ。しかし、そもそもの江戸木版画は、違う。町内の美人を摺った美人画は身近なアイドルのブロマイドだし、大胆な構図の風景画は旅情を誘う旅の情報誌。新版を手にした時の江戸っ子たちの胸の内を想像すれば、わくわく、そわそわ。摺りたての紙の匂い、バレンで版木の凹凸が作り出す独特の紙の表情。すべてが、刺激的だったに違いない。高橋工房は北斎や広重が活躍した江戸末期、安政年間の創業。当代・高橋由貴子さんは六代目にあたる。江戸木版画は、「絵師」「彫師」「摺師」の三者がそれぞれの工程のスペシャリストとして分業することで、美しく精巧な多色摺りを実現する。高橋工房の初代は「摺師」、そして四代目からは版元も兼ねた。版元とは、今で言う出版社のことで、江戸木版画の版元は企画・統括を行った。初代の「摺師」としての技術、そして版元としての情熱は代々継承されている。当代・高橋由貴子さんは摺師としての感性を活かして、著名な作家の作品を木版画にする事業に取り組むなど、版元としても江戸木版画の発展に力を尽くしている。江戸木版画の意匠を採り入れた団扇や扇子など、江戸っ子たちのあの“わくわく”を身近に感じ取れる小物の製作も行っている。

株式会社 高橋工房
〒112-0005 東京都文京区水道2-4-19
TEL 03-3814-2801
FAX 03-3811-7341
代表取締役 高橋 由貴子

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