炎と金槌から生み出される機能的な造形美。
正次郎鋏刃物工芸は、初代正次郎が東京の南千住から成田へ移り、開業したのがはじまりで、3代目の石塚祥二朗氏はその孫にあたる。
当初は鋏づくりが中心で、包丁はつくっていなかったが、客から包丁もつくれないかと請われたのをきっかけに、試行錯誤しながらも徐々に包丁もつくるようになっていった。
その製造工程は簡単にいうなら刀鍛冶と同じといえる。
高温に熱して溶かした鉄を流し込む型はなく、熱した鉄の板を金槌で叩いて、また熱して叩く、これを何度も繰り返して形にしていく。
「総火造り」と呼ぶ伝統技法だ。
総火造りによって生み出された鋏や刃物は、その見た目からは豪傑な印象を受けるが、じつは火の温度や使用する炭の種類、形状、金槌の当て方まで、すべてが細やかに計算され、組み立てられている。
道具としての使いやすさ、切れ味は言うまでもなく、プロの料理人を中心に高い支持を受けている。
令和6年度の新作「黒革シリーズ」は牛刀包丁、三徳包丁、ペティナイフの3種で、中小企業振興公社理事長賞を受賞した品でもある。
手打ちの痕跡である黒打ちを際立たせているが、見た目の豪快さとは裏腹に、軽くて使いやすいうえ、メンテナンスも簡単なのが特長だ。
有限会社 正次郎鋏刃物工芸
〒286-0846 千葉県成田市松崎697-1
TEL 0476-26-8061 FAX 0476-36-7566
石塚 祥二朗
http://www.shojiro.com/
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