漆黒の闇が一転し、漏れ出でる漆の光。
「漆灯」は、点灯したときのドラマチックな
展開に心揺さぶられる漆塗りの照明器具。
闇夜のように深く、
そして艶やかな光沢のある表面は、
漆芸の技法、呂色(ろいろ)仕上げで作られる。
この技法は、上塗り漆を塗った後に、
炭で研ぎ出し、その後、生漆(きうるし)を
何度も摺り込み、磨きを繰り返すことで、
漆独特の美しい艶を生み出す。
明かりが灯ると、
照明の内側に仕組まれた青海波の紋様が、
その表面に浮かびあがる。
紋様は、漆を塗り重ねた和紙に、
切り絵師が一つ一つ手彫りした。
明かりの色には独特の温もりがあるが、
この色は漆を通した光だから表現できたもの。
漆黒に見える表面から、
漆を通した光が現れるという現象は
取り組んだことがなく、
この実現には、漆工として多くの経験を
積んできた安宅氏も多くの挑戦を要した。
デザイナーが表現したかったのは、
日本建築の格子窓から
漏れるような柔らかな光。
「漆灯」の下方の意匠は、
格子の桟(さん)をイメージした。
漏れ出でる漆の光が、
懐かしい風景、懐かしい時間に誘ってくれる。
- 漆灯
- サイズ:φ108mm×H195mm
素材:MDF、漆、和紙、アクリル
希望小売価格:¥110,000(税込)
※本サイトに掲載している情報は2024年5月現在のものです。
※手作り品のため、サイズ、色、形は実際のものと多少異なります。
※商品の仕様および希望小売価格は、予告なく変更することがあります。