TOKYO Teshigoto

EDO CAT 風鈴

東京彫金

「動きあるものの造形は、難しい」
黒猫を生み出した職人は、静かに呟いた。

まず、平面を立体に転換する難しさがある。

絵を3Dに起こすのは
フィギュア職人という仕事が成立するほどに困難な作業。

相談した幾人かの造形作家には
リアルな猫はやったことがないと断られ
試行錯誤の末に独力で形を作りあげた。

大きさを決めるのにも苦労した。

最初の猫は重すぎて
風鈴の音色棒が動かない。

作っては試すことを繰り返し
4回目で、ちょうどよい大きさにたどり着いた。

形を決めるのも、難航した。

100人が100人に
「これは猫だ」と思ってもらえる姿が
基本となる。

伸ばした右前肢と左後肢を直線にして
吊るすときの安定感を確保する。

躍動感をだすために
胴のひねりや、しっぽの向き
お尻の形、筋肉の付き方まで
バランスをみながら形を練る。

ここまで決めるためのプロセスが、大変だった。

複雑な形ゆえの困難が
細かな細工にも待ち受けていた。

頬がぷっくりと出ている方がいいという
デザイナーの意向を踏まえて
0.1ミリ、0.6ミリという細いたがねを使い
表情をつけていく。

しかし、前肢が邪魔で、彫れない角度が出てしまう。

リングのように単純な曲面を彫るのと比べ
立体で曲面、かつねじれた形であることが
彫りの難易度を高めていた。

猫の肉球までも、しっかりと彫る。
伝統工芸をやっている人が
「そこまでやるのか」と驚くほどの
手抜きのない仕事ぶりだ。

仕上げにも、黒猫ゆえの難しさが立ちはだかる。

真鍮の地金である黄金色の猫を
薬品を使って徹底的に磨き上げ
きれいに洗って乾燥させる。
汚れが残ると染まりきらず、まだらな猫になってしまう。

真鍮を黒くする液に、浸けては出す作業を
繰り返すこと3回。
黒くなった猫の顔を彫ると、鋭い金色の目が浮かび上がる。

しかしこの作業は
少しでも手元が狂うと、余計なところの地金が出てしまい
取り返しがつかなくなる危険性を秘めている。

毛筋ほどのミスも許されない、集中した日々を経て
金魚を狙う黒猫が一匹、この世に生まれ出る。

EDO CAT 風鈴
素材:ガラス、真鍮、紙など
サイズ:幅160mm×奥行150mm×高さ390mm
種類:短冊は、市松または白
希望小売価格:
竹細工フレームなし¥14,190(税込)
竹細工フレームあり¥19,085(税込)

※本サイトに掲載している情報は2021年1月現在のものです。

※手作り品のため、サイズ、色、形は実際のものと多少異なります。

※商品の仕様および希望小売価格は、予告なく変更することがあります。