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有限会社 鍋谷グラス工芸社

22 江戸切子

江戸切子工房の鍋谷グラス工芸社は昭和24年、現在地の大田区南蒲田に創業、三代目の鍋谷淳一さんが引き継いでいる。


制作の様子

制作の様子

19世紀に生まれた江戸切子は、ヨーロッパのカットグラスの技法を取り入れた工芸品である。切子の産地は江戸以外にも薩摩(現在の鹿児島県)が知られる。時の権力者の庇護を失った薩摩切子が一時途絶えたのに対し、庶民の日用品として愛用された江戸切子は伝統を脈々と受け継ぐ。
二十種ほどある伝統的な文様は、少しも色褪せることなく現代の食卓に華やぎをもたらしている。厚さ2~3ミリほどの色被せガラスを削る薩摩切子のぼかしの技に対し、江戸切子は厚さ1ミリ弱の色被せガラスに繊細な彫りを施すのが特徴である。

「安い賃加工で、毎日埃まみれに働いていた父をみていたので、家業を継ぐ気はなかったんです。それがある日、父の作品をみて惹かれるものがあって、やってみようかなと。」以来、20 年以上江戸切子の職人として活躍し、平成21年に伝統工芸士となった淳一さん。
「江戸切子は、繊細できらびやかなグラスなので女性が好むイメージがあります。それを男性が好むグラスをつくってみようと〝厚く、重く、ゴツく〟したロックグラスに挑戦し、催事に出品したところ大好評でした。」と、繊細さと力強さが共存したオリジナルのグラスで江戸切子の世界にイノベーションを起こしている。

有限会社 鍋谷グラス工芸社
〒144-0035 東京都大田区南蒲田3-10-22
TEL 03-3744-1882
鍋谷 淳一

工房見学
なし
工房体験
なし

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