「小さい頃は祖父と名前が一緒であることが嬉しかった」
祖父の正次郎が兄弟で暖簾分けし、成田で鍛冶屋を営みはじめたのは昭和38年のころである。同じ名を受け継ぐ六代目石塚祥二朗は、小学生の頃に夏休みの親子課題で包丁を作ってしまうぐらい根っからの鍛冶職人だ。祖父や父が作った刃物を手にするお客様の喜んでいる姿を見て、自分も同じようにお客様を喜ばせたいと思い、23歳の時に家業を継ぐことを決意する。
そんな石塚は型を使用することなく、刃物を打ちあげる「総火造り」という伝統技法にこだわる。鋏の持ち手である「輪拵(わごしらえ)」も叩いて、指に合う最適な角度に形成していく。見事なまでに精巧に作られた鋏は、無駄な力が働かず「シュッ」と小気味好い音を響かせる。
刃渡りや柄などカスタマイズもできる
研ぎ直しや柄の交換などを依頼される刃物には、祖父が手がけたものも珍しくない。「刃物は酸化膜(黒錆)をコントロールし、手入れをすると50-60年は使用できる。良いものを長く使っていただきたい」と石塚は語る。
「一度使ったら、他のものは使えない」
高い品質と技術力を誇る正次郎の刃物は、長く使うほど愛着が湧き、手放せなくなるだろう。
工房の様子(体験工房も開催)
有限会社 正次郎鋏刃物工芸
〒286-0846 千葉県成田市松崎697-1
TEL 0476-26-8061 FAX 0476-36-7566
石塚 祥二朗
http://www.shojiro.com/
http://www.shojiro.com/contact/
- 工房見学
- なし
- 工房体験
- あり
工房見学、工房体験をご希望の方は事業者にお問い合わせください