あなたのための、漆器。
江戸漆器と呼ばれる漆器は、過酷な環境で使われるものが多い。出前に使う寿司桶、蕎麦屋の道具。店では多くの客の手で使われ、厨房では何度も洗われる過酷な環境に耐えるため、江戸漆器では漆をたっぷりと入れた下地を使う。角漆工の角光男さんが、初めて江戸漆器に触れたのは16歳の時。年の瀬に福井から姉の嫁ぎ先、東京の下町にある加藤漆器製作所に手伝いに来た際だそうだ。その時に嗅いだ、漆独特の匂いは強烈に脳裏に焼き付く。漆工を志し、両親を説き伏せると19歳で上京。先の義兄が営む製作所に住み込み修行を始める。営業で店をまわり、新しい仕事をもらったり修理の仕事をもらったりする中で、自然と漆の知識は増え、世の中のニーズにも気づいていく。独立後“世の中に一つしかないもの”をつくることを志したのも、世の中のニーズに気づいたからだった。角さんの工房には、花畑のようにいくつもの色漆が並ぶ。色漆は様々に工夫した道具で根来風、津軽塗風など様々に姿を変えていく。一つとして同じ模様のない器は、これを手に取った“あなた”のために角さんがつくったものなのだ。
角漆工
〒116-0011 東京都荒川区西尾久4-6-10
TEL 03-3893-0839
角 光男
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