染めたい、を応援する。
「東京本染手拭」は、東京都の伝統工芸品「東京本染ゆかた」の製法で染められる手ぬぐい。東京本染手拭の企画製作を行う東京和晒の創業は、1889(明治22)年。社名に「晒」とあるように、創業当初は染色前の織物の晒しを主業務としていた。手ぬぐいの製作に取り組み始めたのは、四代目にあたる当代・瀧澤一郎さんの代になってから。葛飾区立石の「東京和晒創造館」には店舗のほか、染めの体験もできる工房を備え、手ぬぐいづくりを通じた表現の楽しさを広く伝えようという当代の心意気が伝わってくる。ところで手ぬぐいを注意深く見ると、裏地に色が通っていないものがある。捺染(なっせん)プリントは色が通らず、注染(ちゅうせん)では両面が同じく染まる。東京本染手拭は注染の染色技法で染められる。注染は、文字通り染料を注ぎ染めるという明治期に考案された染色技法。それまで主流だった長板中形染めが一枚ずつ染めるのに対して、注染は布を何十枚も重ねて染める。大量生産が可能になった当時より、一つのメディアとして店名や商品名を入れた広告として普及したという。時代は移り変わり、メディアの数は比べものにならないほど増えた。しかし、その中で手作りの温かみがある手ぬぐいに再び熱い視線が注がれている。東京和晒では、体験教室の開催などを通じて、「染めたい」「伝えたい」という気持ちの応援に取り組んでいる。
東京和晒 株式会社
〒124-0012 東京都葛飾区立石4-14-9
TEL 03-3693-3333 (代表)
FAX 03-3694-7788
代表取締役社長 瀧澤 一郎
taki@tenugui.co.jp
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