TOKYO Teshigoto

泪橋大嶋屋提灯店

40 江戸手描提灯

親子二代で現代に燈す、江戸手描提灯の数々。

泪橋大嶋屋提灯店は1913(大正2)年の創業以来、「江戸手描提灯」を作り続ける老舗だ。「江戸手描提灯」とは、提灯の顔とも言える火袋に江戸文字や家紋などを手描きで描き入れた東京都の伝統工芸品。文字ははっきりと太く、遠くからでも目立つように描くのが特徴だという。
提灯づくりは明治のころから分業化が進み、東京の提灯屋の多くは提灯文字の描き入れを専業としている。泪橋大嶋屋提灯店もその一つで、歌舞伎の小道具の提灯や番傘なども手がけてきた。現在は三代目の村田修一さんと四代目の健一郎さんの親子二代で営む。

三代目の修一さんは、提灯文字だけでなく、いまでは数少ない「地口絵(じぐちえ)」の描き手としても知られる。「地口絵」とは、ことわざや格言などの誰もが知る慣用句の言葉を置き換えて駄洒落にしたものを絵で描いた江戸の言葉遊びだ。

息子の健一郎さんは父・修一さんのもとで修行を積み、四代目を継いだ。提灯の世界では「桃栗三年、柿八年」ならぬ「墨すり三年、描き八年」と言われているそうで、一人前になるまで10年ほどかかったという。「代々続いてきた家業。江戸手描提灯ならではの温かみのある趣を守っていきたい」と、『OTO CHOCHIN』をはじめ、新たな江戸手描提灯の形も模索している。

伝統的な手技で魅せる父と新しい試みにも果敢に挑む息子。親子二代で、江戸手描提灯をいまに伝える。

泪橋大嶋屋提灯店
〒116-0003 東京都荒川区南千住2-29-6
TEL 03-3801-4757
FAX 03-3801-4757
村田 健一郎

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