TOKYO Teshigoto
STORY 05

染職人が嫉妬する「技」

厚さ0.3ミリといわれる絹の両面を染めあげる。
言ってしまえば「そんなこと」と思われるかもしれないが、想像して欲しい。
布に浸み込む染料を片面それぞれ数百ミクロンで止めるのだ。
それは熟練した手仕事でなければできない「技」。
表面は季節を表す伝統の江戸小紋、
裏面は四季を表現したデザインで仕上げた両面染めの日傘。
優しいく上品な色合い。この日傘の持ち主とすれ違った瞬間、思わず振り向いてしまいそう。

株式会社 富田染工芸

〒169-0051 東京都新宿区西早稲田3-6-14
TEL 03-3987-0701
FAX 03-3980-2519
代表取締役 富田 篤
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  • 浅野 進

    職人浅野 進

四季の日傘
四季の日傘

着物文化の、粋を集めた日傘。「四季の日傘」は、江戸小紋の表現技法で最高峰と言える「両面染」を用いた日傘だ。江戸小紋は、染料を混ぜた色糊を用いて染める。1ミリに満たない厚みの絹布に、染料が裏に響かないよう、表面、裏面を染めるのが「両面染」。肝となる色糊の調合には、熟練の経験と技を要し、今や数えるほどの職人しか手掛けられない。「両面染」の着物の場合、裏の紋様は裾や袂からチラリと見えるところが洒脱とされる。「四季の日傘」は、これを文字通り日の当たる場所に引き出し、新しい景色を作り出した。例えば表地に柳、裏地に燕の型染めをした「春」。日傘を開くと、染め分けられた表地と裏地は日に透け一体となり、風に揺れる柳葉の向こうに燕が群れ飛ぶ景色が現れる。表地の柳も数型用いるなど、細部に凝った。傘を閉じると、日本人が古来より作り上げてきた配色方法「襲かさねの色目」をイメージしたグラデーションが現れ、洋装で持ってもさりげなく着物文化を伝える。

四季の日傘 サイズ:φ約750mm × H 約630mm(クローズ時φ約50mm × H 約630mm)/素材:正絹(張地)、樫(中棒)、楓/竹(手元)、天然木/竹(ボタン、露先)/希望小売価格:¥89,000