TOKYO Teshigoto

獅子舞(ししまい)などの形で
現代にその姿を留める獅子。

成田山開基1070年祭記念事業として
建立され、2007年に落慶した
全山の浄域を結界する総門を護るのも
十六体の獅子頭だが
その獅子のうち、六体を手掛けたのが
江戸木彫界の重鎮である北澤一京だ。

そして、そんな凄腕の木彫師と共に
木鼻の獅子の制作に取り組んだのが
一京の長男であり、弟子でもある
神仏木彫師・面打ち師、北澤秀太であり
その彼の手で彫りあげられたのが
『開運獅子頭』だ。

推古天皇の時代に
呉から伝えられたという
伝統演劇の伎楽(ぎがく)では
獅子は演技の場を踏み鎮めるなどの
重要な役割を務めている。

なかでも正倉院に保存されている
天平勝宝四年(西暦752年)
東大寺大仏開眼の供養会の獅子頭は
日本最古のものである。

その、力強い獅子頭をモチーフに
華やかな江戸飾り獅子の要素を加えて
シルクロードをわたって日本に渡来した
ダイナミックさ、形の流麗さを表現した『開運獅子頭』は

小ぶりながらも顎や舌が動くように
細部まで丁寧に彫りあげられた
本格的な縁起ものだ

適度に硬く、木目が美しい楠を使い
鋸(のこ)と鑿(のみ)
そして鉋(かんな)だけで
複雑な陰影をもつ獅子を彫りだしていく。

白木のままで屋外にさらされる
寺社の飾りものなどは
サンドペーパーなどをかけると
木の表面の細胞が死んでしまい
時間が経つにつれくすんでくる。

だからこそサンドペーパーを使うのは
素人の仕事だとして
250本程もある鑿を駆使して
なめらかな面を削り上げていくのが
木彫職人の腕の見せどころだ。

金泥(きんでい)や朱などで彩りを添え
イボタガラムシが分泌する
伝統的なイボタ蝋(ろう)で
光沢をだして
木肌の美しさを引き立てている

精魂込めて彫り上げたこの獅子に
魂を入れるのは、使うその人自身。

縁起をかつぐ“切り火”の代わりに
獅子の歯をカチカチと打ち鳴らして
出かける人の厄除けとしたり
宝くじを挟んで
当選を願ったりするのもいいだろう

神仏や寺社の飾りものから能面まで
さまざまな木彫に
いのちを吹き込み続けている北澤は
この獅子頭をただ飾っておくのではなく
日用品として使ってもらい
そして伝統的な木の彫りものを
もっと気軽に日常に取り入れてほしいと
願っている。

開運獅子頭
素材:くすの木
サイズ:幅105mm、奥行108mm、高さ100mm
種類:1種類、展示台、アクリルケース付き、桐箱入り
希望小売価格:¥247,500(税込)

※本サイトに掲載している情報は2024年5月現在のものです。

※手作り品のため、サイズ、色、形は実際のものと多少異なります。

※商品の仕様および希望小売価格は、予告なく変更することがあります。