TOKYO Teshigoto

玻璃匠 山田硝子

22 江戸切子

花開く、表現力。

江戸切子の歴史において、品川工作所の果たした役割は大きい。1873(明治6)年、明治政府は工部省品川工作所を現在の品川区北品川区に置く。そして1881(明治14)年に切子(カット)の指導者として英国人、エマヌエル・ホープトマンを招き十数名の日本人がその指導を受けるのだが、その中の一人、山田栄太郎氏が現在の「玻璃匠 山田硝子」のルーツである。ホープトマンは、切子の技術とともに、グラヴィール技法など様々な技術を伝習生へ伝えた。栄太郎氏が修得した江戸切子の技は、「玻璃匠 山田硝子」初代・山田智信氏、二代目・輝雄氏、そしてその子息である三代目の真照さんに脈々と受け継がれている。花切子は、グラヴィール技法からヒントを得た技法で硝子の表面をごく浅く削り、すり硝子状の面で草花や動物、風景などを描いていく。幾何学的な紋様が主の江戸切子に対して、優美、繊細な表現が可能になる。「玻璃匠 山田硝子」は、輝雄氏の代からこの花切子の表現も得意としている。ゆえに、硝子のカットに使う道具も繊細さを表現できる小さなものを多く所有する。「玻璃匠 山田硝子」の、いわゆる江戸切子と聞いて想起されるイメージの枠にはまらない、繊細あるいは大胆な表現力の源は、そこにある。

玻璃匠 山田硝子
〒131-0043 東京都墨田区立花1-4-14
TEL 03-3612-6875
FAX 03-3612-6875
山田 真照

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