緻密な紋様に宿る光、そして色。
硝子は輝いてこそ、価値がある。「江戸切子の店 華硝(はなしょう)」の輝きへのこだわりは、「手磨き」という技法を選択したことに現れている。江戸切子は、色硝子を被(き)せた硝子の表面を、ダイヤモンドの刃をつけたグラインダーでカットしていくことで紋様を描き出す。カットした面には特有の輝きはなく、ここを磨くことで初めて、紋様は光を得て浮き立ち輝く。薬品で磨く「酸磨き」に対して、「手磨き」は時間、技術、労力ともに要する。2008年の洞爺湖サミットで贈呈品に採用されたワイングラスは、「米つなぎ」という精緻な紋様が刻まれる華硝のオリジナルだ。ワイングラスには、米粒のような小さなカットが256個刻まれる。高度な職人技による正確な256回のカットのあと、カットにより生まれた米粒は一粒一粒、手磨きで磨かれる。一粒を3回磨くとすれば、768回の磨きの作業が行われる計算になる。1946(昭和21)年の創業当初は、大手硝子メーカーの下請けだったが、1990年代に2代目・熊倉隆一氏が店舗を備えた工房をつくることで転機が訪れた。以来、3代目の熊倉隆行氏とともに、米つなぎ、糸菊つなぎ、玉市松などの紋様が生み出し、華硝独自の世界を作り上げている。
株式会社 江戸切子の店 華硝
〒136-0071 東京都江東区亀戸3-49-21
TEL 03-3682-2321
FAX 03-3682-2396
代表取締役社長 熊倉 節子
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