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田島硝子 株式会社

22 江戸切子

黒切子、歴史を動かす。

田島硝子の工場には、熱がある。1400℃もの高温で溶かされた硅砂(けいしゃ)は、太陽のように真っ赤な色で加工の時を待つ。溶けた硝子は鉄の棹で巻き取られ、さまざまな技法で加工されていく。硝子種を巻き取った吹き棹に息をふき込み成型する「吹き硝子」。吹き棹を空中で回しながらハシなどで形を整える「宙吹き」。そして宙吹き法に加え、木型や金型で成型する「型吹き」。これらの高度な江戸硝子の技法を、この工場の職人は有している。江戸切子は、色硝子をカットしてその紋様を際立たせるが、硝子素地に色硝子を被せる(きせる)、「被せ硝子」も、田島硝子は行う。田島硝子で色を被せたグラスは、多くの江戸切子職人のもとへ供給されている。江戸切子の歴史上初となった、黒の被せも田島硝子の手によるもの。黒の被せは薩摩切子が一足早く実現していたが、江戸切子の被せは薩摩よりも薄い0.2〜0.3mm。層が薄いほど色の再現性は難しく、薄い被せで「黒」を表現するため、約1年もの試行錯誤が続いたという。江戸切子初の黒切子の誕生は、切子史に残る。江戸切子、江戸硝子の卓越した技と熱い心で、田島硝子は業界を牽引している。

田島硝子 株式会社
〒132-0025 東京都江戸川区松江4-18-8
TEL 03-3652-2727
FAX 03-3651-2229
代表取締役 田嶌 大輔

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