TOKYO Teshigoto

染の高孝

06 東京手描友禅

一期一会、墨流し染め。

染の高孝の当主、高橋孝之さんは東京手描友禅の伝統工芸士。染料を含んだ筆を巧みに操りながら、優雅で精緻な紋様を絹地に描き出す。着物の柄付けに「千筋(せんすじ)」や「万筋(まんすじ)」と呼ばれる細かな縞模様があるが、一反12メートルほどの白生地に下書きをすることもなく、線を真っ直ぐに何本も描き入れていく。正確な職人仕事に、思わず目を奪われる。そんな高橋さんの心を奪ったのが、墨流しという染めの技法。水面に流した染料が水紋を描く一瞬を絹地に写し取るというこの技法には、必然と偶然が交差する。染料をこう動かしたら美しかろうと想像し職人の経験と勘で水面に動きをつけるのが「必然」だとすれば、意図しない水面の動きが「偶然」。時に染めた当人が、はっと胸を打たれるほどの紋様が出現することもあるという。染色工房が集積する新宿区で、父親の代から一家で染めに携わってきた。父親は刷毛で色を染める「引き染め」、弟は型紙を使う「型染め」。高橋さんは「手描き友禅」「一珍染め」そして「墨流し」で、この世に一つしか無い染めの世界を日々表現している。

染の高孝
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場3 -9 -1
TEL 03-3368-7388
FAX 03-3368-7388
高橋 孝之
babaza@crest.ocn.ne.jp

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