花の色、凜と締め。
野の花を摘むがごとく、とは言い得ている。龍工房の帯締め、帯揚げには、控えめなのに凜とした存在感がある。春を知らせるカタクリの花や、深山に咲く山スミレの花。小さく可憐だけれども、忘れ得ぬ印象を残す色が野の花にはある。「着物や帯が大輪の花なら帯締めは野の花。摘み草をするように季節の色を選び、控えめでも存在感のあるものをつくりたい」と言う龍工房の当代・福田隆さんは若い頃、染織研究家である故・山辺知行氏に師事し、色への感性を磨いた。忘れ得ぬ色、そして忘れ得ぬ締め心地は、高い審美眼を備え、高い機能性を求める梨園の人々にも愛される。キュッと締まり、ほどよく戻る伸縮性は絶妙に撚りをかけた「絹糸」と“枯れた手を持つ”と表現される熟練の職人による「組み」で生み出される。野の花の色を染めた絹糸は、職人の手で右へ左へ交差され組み上げられていく。帯締めを組む道具を「組み台」と言うが、龍工房では「丸台」、「綾竹台」、「角台」、「高台」を有しそれぞれの特長を活かした組紐を作り上げる。生糸の作成、デザイン、染色指定、用途に適した組み。すべてをプロデュース可能な工房は、都内でも唯一龍工房だけ。その力を聞きつけ、様々な組紐の製作依頼が舞い込む。世界的ヒットとなった映画『君の名は。』に登場する組紐の再現、商品化にも携わった。
株式会社 龍工房
〒103-0006 東京都中央区日本橋富沢町4-11
TEL 03-3664-2031
FAX 03-3661-6050
代表取締役 福田 隆
ryukobo@silver.ocn.ne.jp
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