籐一筋、その集大成。
籐は、東南アジアにのみ生息するヤシ科の植物。日本における編祖工芸(へんそこうげい)で身近な材は“竹”だが、籐は竹にできないことが出来、さらに軽く堅牢で弾力性に富むという特長から、古くから日本でも用いられてきた。竹に出来ないこととは、「巻く」や「かがる」。例えば、中世の武将が持った「重藤(しげとう)の弓」、刀槍の柄、笛、尺八などにも籐は使われている。江戸時代には網代編みの編み笠、枕も籐で作られていた。ラタンファニチャー堀江の堀江正則さんが、この籐工芸の世界に入ったのは、まだ小学生の頃。籐を扱う親戚のもと、学校に通いながら職人の見習いをしていたという。修行当時は「籐むしろ」などを製作していたが、徐々に製作範囲は広がる。職人歴70年にならんとする今、技術は極まり、子息で二代目の正壽さん、そして孫娘へと技の伝承が始まっている。そして自らが籐職人としての「集大成」と位置づけるのが、上すぼまりの形状をした籐製バッグだ。籐製バッグのカジュアルなイメージを覆す品格は、籐を知り尽くした職人だからこそ実現できたものに相違ない。籐一筋に生きる職人の、あらゆる経験と技が詰まっている。
ラタンファニチャー堀江
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堀江 正則
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