ジャパン・ブルー、冴える。
ヨーロッパのウォード藍、インドのインド藍。藍は、世界各地にある。“冴えた青”と世界が称賛するジャパン・ブルーは、たで藍で染められる。たで藍の葉を発酵させた「すくも」が藍染めのもととなるが、この産地として知られるのが徳島。すくもの生産に携わる藍師(あいし)は、わずか数名で年間生産量は50キロの俵で700俵。そのうち50俵を「藍染工房 壺草苑(こそうえん)」が買い付ける。青梅市の山里に建つ壺草苑の藍瓶(あいがめ)の中では、徳島産「すくも」が灰汁、日本酒、ふすま(小麦の外皮)、石灰とともに発酵の時を静かに待っている。やがて「藍の華」と呼ばれる泡が表面に現れ出し、染め時がやってくる。ここまで二週間。この染液をつくる一連の工程を「天然藍灰汁醗酵建て(てんねんあいあくはっこうだて)」と呼ぶが、現在この方法で藍を建てる工房は非常に少ない。壺草苑を率いる村田博さんは、1919(大正8)年創業の村田染工3代目。「いつか手間ひまかけた手仕事に、もう一度光が当たる」と天然藍の染めに着手したのは、平成元年のこと。その思いは日本、そして海の向こうへ届き、ジャパン・ブルーの愛好家を増やし続けている。江戸時代「染織の里」として栄えた青梅が、再び「藍染め」で注目を集めている。
藍染工房 壺草苑
〒198-0052 東京都青梅市長渕8-200
TEL 0428-24-8121
FAX 0428-22-4069
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