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株式会社甲人

43 その他

愛を込めた甲冑

鮮やかな色彩の装飾と豊かな造形美を備えた「大鎧(甲冑)」は、金工や漆工、染織皮革などの伝統技術の粋を極める工芸品といえる。株式会社甲人は1897 (明治30)年の創業から120年余、国宝に指定されている平安・鎌倉期の甲冑を、当時の技法や材料を研究し、細部まで実物に倣って制作をしている。

「平安・鎌倉期の甲冑が一番美しい」と五代目の後藤甲(かつ)世(よ)さんはいう。彼女は業界では珍しい女流甲冑作家であり、全ての工程に携わる。「好きだから苦労は無いですね。代々伝わっている技を細部にまで駆使していいますので、見せどころは全てです。」
兜鉢の筋も、ひとつひとつ金属の板から絞り加工をして組み上げる。頭頂部からの太さを絶妙に変化させるといった細かな技が光る。

甲冑というと男性向けのイメージがあるが、「美しさを知ってもらいたい」と女性向けのバッグや小物の制作を始めた。
「甲冑はお節句が終わると収納されるかたが多いですが、常に愛でて頂きたいと思っていました。日常使いができるバッグや小物に甲冑の意匠である美しい威(おどし)を取り入れていますので、身近にいつでも愛でて使っていただきたいです」
子どもへの愛情の象徴の甲冑は、形を変えて愛を広めていく。

株式会社甲人
後藤 甲世
〒131-0033 東京都墨田区向島5-48-14
TEL 03-3611-2317
https://www.yoroi-koujin.com/

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