色踊る染めに、心も躍る。
たくさんの色が重なって、独特の美の世界をつくる孔雀の羽。藤本染工芸の当代・藤本義和さんが手がける型染めには、孔雀の羽のような色の奥行きと煌めきがある。この型染めは、白生地に数十センチ四方の型紙を使って糊を付け、小さな刷毛で、色を差していく「手差し型染」という技法。数ある型紙の中から2つ、3つを選び組み合わせていくことで、新しい紋様が生み出される。組み合わせの妙もさることながら、藤本さん独特の「ぼかし染め」による色のグラデーションが、先述の孔雀の羽のような美しさを作り出す。染色師として60年以上の年月を重ねた藤本さんが到達した、独自の表現方法だ。織物の盛んな八王子で、藤本さんは織りの家に生まれたそうだ。専門学校卒業後の1954(昭和29)年、江戸小紋の石井孫兵氏に弟子入りし、技を磨く。そして十数年の修行を経て独立、八王子に工房を構えた。「型染め」のほか、日本でも数少ない「木版染め」の技を操り、今も染色の仕事に携わる。「チャレンジが好き」という藤本さんは、着物だけでなく日傘など新しい分野の染めにも意欲的に取り組んでいる。
藤本染工芸
〒192-0063 東京都八王子市元横山町1-24-2
TEL 042-642-8804
FAX 042-646-0812
代表取締役 藤本 義和
fujimoto.some@gmail.com
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