筆を重ねるごとに、時を重ねるごとに増す深み。
江戸時代から代々続く漆器の専門店、漆芸中島。
現在は佃島に店を構え、現役の職人でもある店主の中島泰英氏は11代目にあたる。
江戸時代、大名の家では女児が生まれて3才頃になると、嫁入り道具として家具や調度品をそろえる習わしがあり、それらはみな漆職人によって仕上げられた最高級品でもあった。
漆塗りで作られる調度品は、箪笥や引き出し、座卓といった家具から、重箱やお椀などを中心とする器へと、時代の変化と需要とともに変化したが、職人の技、手仕事は現在も変わらず続いている。
漆器の特長は、見た目の美しさはもちろん、耐久性や防腐性といった高い機能性にある。
漆を塗り込むことで、腐食を食い止め、木材を長持ちさせることができるためで、神社や仏閣、仏像に漆塗りが施されているもそのためである。
漆塗りの工程は、「下地」、「捨てなか」、「中塗り」、「上塗り」と呼ばれる段階に分かれており、塗り重ねていく。
1回塗ると乾くまでに約3日待つ必要があるため、完成までに約2か月かかることも珍しくない。
だが、質のいい漆を手間暇かけ、何回も塗り重ねた漆器は、他では出せない趣があるという。
年数が経てば経つほど増す深みが、漆器最大の魅力といえる。
漆芸中島
〒104-0051 東京都中央区佃1-4-1
TEL 03-3531-6868
中島 泰英
info@urusigei-nakajima.com
https://www.urusigei-nakajima.com/
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