艶とハリの守り人。
田房染織は、1914(大正3)年から四代に亘り、村山大島紬を作り続けてきた工房だ。工房には染め場も備え、染めから織りまで手がける。村山大島紬を生産する工房は数少ないが、中でも生糸の精練、絹糸の染色、そして織り上げまで手がける工房は希少である。四代目の田代剛章氏に村山大島紬の魅力を尋ねると、「艶とハリ」という答が返ってきた。確かにお日様のもと見ると、絹の光沢とはこれほどかと驚かされる。輝きは村山大島紬独自の染色方法「板締め注入染色」によってもたらされる。多くの産地が採る染色方法は絣糸を染める際に絹糸に負荷をかけるが、「板締め注入染色」ではその負荷を極力抑えることができる。かつてはこの染色に用いる「絣板」をつくる板屋(いたや)という専門職があったが、今はない。貴重な道具となった「絣板」を大切に使いながら、田房染織は村山大島紬の技を守り続けている。美しい「艶とハリ」を持つ製品は反物に限らず、現代の暮らしに添った製品も数々生み出されている。
田房染織有限会社
〒208-0032 東京都武蔵村山市三ツ木2-46-1
TEL 042-560-0116
田代 剛章
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