未来に開く東京洋傘
株式会社市原は、服飾総合雑貨などの製造・企画・販売会社として1946(昭和21)年に創業した。本格的にメンズファッション傘の生産を始めたのは、日本のメンズファッションが重要なターニングポイントになった時期1960年代後半頃。特徴は「谷落ち張り」という骨の間が谷間のように見える独特のフォルム。ヨーロッパ様式の丸みの帯びたフォルムに影響を受け、ラムダ(市原のブランドネーム)のフォルムは開発された。
市原には東京洋傘の伝統工芸士が2人在籍する。代表の市原正子さんと製造部長の林康明さん。現在は主に工房で生産する傘は林さんが制作を手掛けている。
甲州織の生地に木型を当て一枚ずつカットしていく。そうすることで、柄が中央から放射状に美しく揃う。「生地を重ね合わせてカットすれば効率が良いかもしれない、そうなると少しのたわみ、歪みがでて柄が合わない」と林さんは話す。
生地をカットするための木型は傘の骨と生地組織が変わるごとに作っている。東京洋傘も他の多くの伝統工芸と同様、担い手不足が課題だ。市原さんは、技術の継承を目的に「洋傘職人養成講座」を続けている。「自分のところで技術や知識を閉鎖的にする必要がない、やりたい人にすべて教えていきたいです」東京洋傘を開く先には、明るい陽が差している。
株式会社市原
市原 正子
〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町2-17-9
TEL 03-3669-2061
mail@ichihara-1946.com
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