「もっと幅広い層に江戸小紋の良さを知ってもらいたい」
創業1890(明治23)年の老舗、石塚染工の石塚久美子はそう切り出す。江戸小紋とは近づいてやっと見えるぐらいの細かな柄が施された粋な着物のことだ。
色糊を調整するための作業
繊細な小紋柄を染めるための伊勢型紙は、今では数が少なくなってしまった三重県の職人によって作られている。幅36cm長さ12mの反物を染め上げるには、伊勢型紙を寸分の狂いもなく繋ぎ合わせていく「星合わせ」という高度な伝統技術を要する。
石塚久美子は幼少期から、間近で見ていた祖父や父の染小紋の技術に、いつしか惹かれるようになっていく。本格的に家業に携わったのはおよそ10年前のこと。以来、父であり四代目の幸生氏(経済産業大臣認定 伝統工芸士)の指導のもと、伝統技術を磨き続けてきた。
美大で学んだ日本画の知識を活かし、従来の伝統に捉われない江戸小紋の表現にも取り組んでいる。
「江戸小紋の愛用者はまだまだ年齢層が高い世代。若い方にもっと小紋の良さ伝え、身に着けてもらいたい」五代目石塚久美子の江戸小紋への情熱は、多くの世代に届くことだろう。
師匠であり、父の四代目石塚幸生氏と共に
有限会社 石塚染工
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TEL 042-642-4400
石塚久美子
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