TOKYO Teshigoto
2018.06.20

懐かしい風景に出逢いに、【すみだ和ガラス館】へ。

東京手仕事のルーツに迫る


「すみだ和ガラス館」の1階は、レトロな趣の和ガラスがお得な価格で手に入る店舗

掘り出し物と出逢える!?
1階は“和ガラス”の店舗。

錦糸町駅を降り、駅前の喧噪を抜けて徒歩6分。「すみだ和ガラス館」は、下町の風情が残る一画にあります。“和ガラス”とあるように、ここは大正、昭和の暮らしを彩った懐かしいガラス製品と出会える場所。1階の店舗をのぞくと、ガラス製の醤油さし、かき氷の器、ペンダントライトなどが並んでいます。蔵出しの商品やサンプル品、アウトレット品が殆どなので、掘り出し物に巡り会う確率は高そうです。注目が集まる“和のレトロ”をインテリアに採り入れたいという方は、ぜひ一度訪れて欲しいお店です。


醤油さしの栓。左がネジ式、右が磨りガラス式。

昭和の食卓を彩った、
懐かしいガラスの醤油さし。

「すみだ和ガラス館」はガラスメーカーの老舗、廣田硝子の運営する施設です。廣田硝子の創業は、1899(明治32)年。120年近くの年月、食卓で使われるガラス食器、駄菓子屋の店先を飾ったガラス瓶、金魚鉢など暮らしに密着した和洋ガラス製品をつくり続けてきた同社の商品は、和ガラスの歴史そのもの。商品の中には一世風靡したものも多く、蓋と本体の合わさる部分を、薬瓶の技術を応用した磨りガラスにした「醤油さし」もその一つです。1970年代に廣田硝子が商品化した頃は、醤油さしの蓋はネジ式が主流。ところが、ネジ式は力をかけすぎると割れるなどデメリットがあったため、磨りガラス式の登場後は、主役交代となったそうです。ただ、今でも廣田硝子では、ネジ式の醤油さしをつくっています。その理由は、「ガラスでネジをつくる技術が途絶えないように」。ジャムの瓶などをよく見ると、ネジは外側についています。一方、醤油さしのネジは内側。収縮率が高いガラスで内ネジをつくる技術というのは、かなり難しいのだそうです。ガラスの手仕事での加工技術は数多くあり、この技術を守っていくためにつくり続けている商品が、廣田硝子にはまだあります。


雪の華シリーズ


大正浪漫シリーズ

乳白色のガラスに和む、
大正浪漫シリーズ。

大正浪漫シリーズと名付けた商品は、明治、大正期に人気が高かった、あぶり出し技法による「乳白硝子」を現代に甦らせたもの。現在では、アンティークショップ以外では、なかなかこの技法を用いたガラスには出逢えない貴重なものです。骨灰という自然素材を含む材料を使い、硝子製作時に急激な温度変化を与えることで、この乳白色が生まれるとのこと。雪の華シリーズは、かき氷の器として記憶に残る方も多いでしょうが、これも「乳白硝子」の技術を用いたもの。このような貴重な技法に必要な型などの道具類も、「すみだ和ガラス館」では保管しています。


珍しい世界のガラス製品が、美術館さながらに並ぶ3階

和ガラスを深く知る
ワークショップも計画中。

貴重な資料を多く保管する「すみだ和ガラス館」では、今後、体験イベントなども計画していく予定だそうです。コレクションした世界各国のガラスが展示されている3階では、講師を招いてガラスの歴史を知るイベントや、サンドブラストやガラスペイントを体験するワークショップなどを企画する予定。まだ具体的な日程は決まっていませんが、気になる方はぜひ廣田硝子のホームページなどをチェックしてみてください。

●施設名称:すみだ和ガラス館(1F・店舗)
●住所:東京都墨田区錦糸2-6-5
●営業時間:11 : 00〜17 : 00
●定休日:土・日・祝祭日
●ホームページ:http://hirota-glass.co.jp/ (廣田硝子株式会社)
●アクセス:JR・東京メトロ「錦糸町」駅徒歩6分