TOKYO Teshigoto

株式会社 忠保

24 江戸甲冑

海を渡る、甲冑。

日本の甲冑は形、彩りともに豊かで美しい。機能はもちろん美しさでも、群を抜くことを競った武将たちの美意識が、そこには息づいている。雄々しい前立(まえたて)や鉢に見られる兜の金工を始め、漆工、木工、皮革工芸、組紐、京織物など、あらゆる匠の技が結集する甲冑。甲冑が「総合工芸」だと言われる由縁である。創業1964(昭和39)年の忠保は、端午の節句に男児の健やかな成長を願って飾られる五月人形の甲冑づくり一筋に取り組んできた。忠保の甲冑は、入念な時代考証のもと、細部にわたって武将の美意識を再現する本物志向。鎧一つを例にとっても、5000を数える製作工程数で作られる。一つ一つの工程で、熟練の職人が美意識をカタチにしていくが、その技は今、節句人形としての甲冑ではないものに注がれている。ボトル・アーマー。酒瓶に着せ、その美を愛でる甲冑だ。受け継がれてきた伝統的な技と美意識を、意表を突く姿で、現代の暮らしに問う。企てたのは、忠保の当代・忠保の大越保広さん。そして「もっと多くの人々に日本の美意識、甲冑の美しさを知ってもらいたい」と目を向けたのが海外市場。ボトル・アーマーの開発当初は日本酒の瓶に着せることを想定していたが、海外市場に合わせてワインボトルに変更し、サイズや形状も微調整した。大越さんはボトル・アーマーを手に、海外に挑む。甲冑は、海を渡る。

株式会社 忠保
〒343-0805 埼玉県越谷市神明町1-39 -2
TEL 048-962-1166
FAX 048-965-4889
代表取締役 大越 保広
oh1111@mri.biglobe.ne.jp

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